世界で起きる戦争の影響により、
国産の馬革の入手が困難になってしまいました。
これまで豚革を扱ってきたトウコトが、
「質がよく無駄も出にくい、強度も良い。素材としてうってつけの食用国産馬革を使用したい」
新商品開発に向けて、思い立った矢先のことでした。
虫は花粉を運び、鳥は種を運ぶ
糞は肥料となり、枯葉や死骸、微生物と共に豊かな土壌を作る
育った飼料は家畜の餌となり、私たちの食卓に並ぶ。
皮は革となる。
そんな学校で習ったような世界では当たり前に起きていることが
その中のひとつ欠ければ循環は簡単に途絶えてしまう。
馬革を使っての製作が難しくなったこと。
どこか当たり前に、衣食住が整った環境で充分に暮らしていけて
そんな日常を当然のように消費している。
自らの置かれている状況を認識させられました。
全てのものが協力して回っている、巡っていくしかない世界で
TOHKOTOの次のシリーズでは馬革を模した牛革を選びました。
天然素材を扱っているからこそ認識できたこと。
そんな気づきを与えてくれた馬革と、革産業を思って、
「馬革タンナーさんの技術により、馬革の風合いに近づけた国産牛革」という
一味変わった素材を採用しました。
一つ、なくなってしまうかもしれないモノ。
それは、自分とはまったく関係がないようでいて
すごく近くにある現実の出来事なのかもしれません。
「平和」というシンプルな言葉ですが、
いち工房から、思いをひとつ託して作るかばんです。
2025.9.1 TOHKOTO